家計のヒント

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暖房費の節約術

 エネルギー価格の高騰に伴い、暖房費が家計を圧迫しています。コープさっぽろが札幌地区に配達する灯油の平均価格は、昨年10〜12月が1㍑105円だったのに対し、今年の同時期は118円と大幅に上昇しています。本格的な冬を迎えた北海道でできる暖房費節約のポイントを紹介します。

 まずは暖房器具の設定温度。エアコンの設定温度を1度下げると、消費電力が10%削減できると見込まれます。環境省が推奨する室内の設定温度は20度です。

 しかし、単純に室温を下げると健康を損ねることにもつながりかねません。部屋の暖気を逃さないようにしたり、体感温度が下がらないようにしたりする工夫が必要です。

 断熱性の高い窓にするなどのリフォームは効果的ですが、コストがかかります。そこで窓用断熱シートを貼ったり、カーテンを厚手のものに替えたりするなどの手だてを考えてみてはいかがでしょう。

 湿度にも着目しましょう。コロナ禍で、空気清浄機を購入したご家庭も多いと思います。加湿機能があれば、部屋の湿度を40〜60%にすることにより、体感温度を上げることができます。洗濯物を部屋干ししても、同様の効果があります。

 道内ではなじみが薄いですが、こたつもお勧めです。消費電力300〜600㍗程度で、手足を効率よく温めてくれます。こたつの下に厚手のカーペットや断熱シートを重ねて敷くと、保温効果が高まります。

 昔ながらの湯たんぽも省エネ暖房器具です。布団に入れるだけでなく、日中も腰に当てたり膝の上にのせたりすると、冷える部分を温めることができます。このほか、保温機能が高い下着も注目されています。

 工夫を重ね、節約しつつも暖かい冬を目指しましょう。

 

2022年(令和4年)12月20日(火曜日) 北海道新聞 おうちの経済 掲載

共働き夫婦の家計管理

 共働き夫婦からの家計に関する相談が年々増えています。

 共働き世帯はお互いの収入を別に管理していることが多いようです。その上で、家賃や水道光熱費は夫、食費と日用品は妻などと費目別に負担する、あるいは生活費としてそれぞれが15万円ずつ出し合い、それ以外のお金は自由に使う─といったルールを作っています。

 このように負担のルールだけを決め、お互いの収入や貯蓄がいくらあるか具体的に把握していないケースが少なくありません。

 負担ルールだけを決めている場合、毎月の収入が支出を上回っている間は特に問題になりませんが、住宅購入などの大きなイベントがあったり、出産や転職、病気などで収入が減ると、家計のバランスが崩れてしまいます。

 中には「自分は貯蓄していなくても相手がしていると思っていた」と、家計に関するコミュニケーションが不足していたために、住宅購入を断念することもあるようです。

 家計管理の方法としてシンプルなのは、お互いの収入や貯蓄を合わせて一元的に管理していく方法です。例えば、スマートフォンやパソコンの家計簿アプリのアカウントを共有し、互いに家計を確認できるようにするのです。無駄な支出も減らすことができます。

 また、夫婦がそれぞれ収入の何%を拠出するか決めておくのもよいでしょう。収入が多い方の比率を高めにし、合算金額の範囲内で生活費予算を組みます。このようにお互いに収入を明確にしていれば、転職などで収入が減った場合などでも、負担見直しに困ることは少ないでしょう。

 共働き世帯が家計を上手に管理するには、住宅や車の購入、子どもの進学、老後資金などの今後控える大きな支出に備えた貯蓄が必要です。具体的な貯蓄金額も夫婦で共有し、目標額をいつまで、どのようにためていくのか、定期的に話し合う機会を持つようにしましょう。

 

2023年(令和5年)10月3日(火曜日) 北海道新聞 おうちの経済 掲載

知っておきたい葬儀の費用

 コロナの感染リスクへの懸念や少子高齢化から、近年の葬儀は家族葬が増加しています。家族葬とは、家族を中心に親族やごく親しい知人・友人明けが参列して行う小規模な葬儀のことで、最近では低価格のプランも増えています。

 葬儀費用で確認しないといけないのは、葬儀社が提示したプランにどこまでの費用が含まれているかということです。葬儀費用は祭壇の規模や人数で大まかな金額が決まりますが、遺族の宿泊料や食事代、会場使用料や宗教者へのお礼などは含まれていないことが多く、「他にも細かいオプションを追加したら想定していた金額を大幅に上回った」という話もよく聞きます。できれば早い段階で複数の葬儀社の見積もりをとることをお勧めします。

 また、僧侶や寺院へのお礼をいくら包むか悩む場合は、直接僧侶に聞いても失礼にはあたりません。聞きにくいようでしたら、葬儀社や檀家総代に相場を教わるとよいでしょう。

 葬儀費用は一度にまとまった金額が必要になので遺族には負担となりますが、遺産分割が終了する前でも「遺産分割前の相続預金の払戻制度」を使って故人の預貯金を一定金額まで引き出すことができます。詳細は故人の口座のある金融機関に確認してください。

 生前に自分の葬儀費用を準備するのであれば、生命保険が有効です。喪主になるご家族を受取人に指定すれば、受取人はすぐに保険金を受け取って葬儀費用にあてることができます。

 亡くなった後で健康保険から受け取れるお金もあります。故人が国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入していた場合は葬祭費(北海道は3万円)が、会社員などで健康保険に加入していた場合は埋葬料(協会けんぽは5万円)が支給されます。申請の有効期限は2年ですので、忘れずに申請しましょう。

 

2022年(令和4年)3月29日(火曜日) 北海道新聞 おうちの経済 掲載