多くの人がさまざまな形で国に収めている税金。税金や社会保険料は皆さんの家計の支出の中でも大きな割合を占めていることと思います。税金についての知識や、どのような控除が受けられるかなどを知っておけば、家計の節約につながるかもしれません。

 このページでは税金やその控除、社会保険料、確定申告などについてのコラムを掲載していきます。

控除申請で大きな節税に

 確定申告というと「税金を納めるための手続き」という印象がありますが、実は多くの人にとって税金の還付が受けられるチャンスでもあります。

 中でも代表的なのが医療費控除。1年分の医療費から保険金などで補填される金額を差し引いた金額が10万円(または総所得金額の5%)を超えると利用でき、家族分を合算できるため個々は少なくても世帯単位では基準を超えることがあります。医療費控除の対象としてあまり知られていないのが子供の歯科矯正やインプラント治療・義歯(美容目的以外)、補聴器(医師の証明書が必要)などの購入費用です。通院のための公共交通機関の運賃が対象になる場合もあるので、領収書やメモを残しておきましょう。市販薬の購入が多い家庭では、健康診断などを受けていれば、医師の診察を受けていなくても控除が受けられる「セルフメディケーション税制」という選択肢もあります。

 次に多いのが生命保険料控除と地震保険料控除です。給与所得者は年末調整で処理されることが一般的ですが、証明書の提出漏れがあると控除が適用されません。その際も確定申告をすることで控除を受けることができます。

 住宅を購入した人が受けられる住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)も、初年度は必ず確定申告が必要です。年末のローン残高に応じて控除される金額が決まるため、忘れず手続きをすることで大きな節税効果が得られます。

 近年増えているのが、ふるさと納税の申告漏れです。ワンストップ特例を利用していても、医療費控除などのために確定申告を行う場合は特定が無効となるので、あらためてふるさと納税(寄付金控除)の申告をする必要があります。「寄付したのに控除されていなかった」という方も多く、注意が必要です。

 会社員や年金生活者も源泉徴収により"払い過ぎたまま"になっているケースは少なくありません。還付申告は5年前までさかのぼって行えるため、医療費控除の申告等を忘れた年があれば見直すことで思わぬ戻りがあることもあります。

2026年(令和8年)2月3日(火曜日) 北海道新聞 おうちの経済 掲載

確定申告とふるさと納税

 2024年分の所得税の確定申告の受け付けは、2月17日〜3月17日です。主に自営業者やフリーランス等で 一定以上の所得がある方が対象となります。

 会社員や年金生活者でも、「マイホームを住宅ローンで購入した場合」や「一定額以上の医療費を支払った場合」「災害や盗難にあった場合」は確定申告で、所得税が還付される可能性があります。

 マイホームを住宅ローンで取得した場合は、最初の年のみ確定申告をすれば、翌年以降の申告は不要になります。10年以上の住宅ローンを組み、住宅性能等の基準を満たした場合に住宅ローン控除を受けることができます。

 医療費控除は24年中に支払った医療費の総額から、保険金などで支払われる額と10万円または所得の5%を引き、残った金額を所得から控除できます。

 確定申告書を作成する際にはマイナ保険証も役立ちます。マイナンバーカードを使って診療費などのデータを取得(マイナポータル連携)できるため、電子申告・納税システム「e-Tax」を 利用すると医療情報が自動入力され便利です。

 しかし、自費診療の支払いや通院費、ドラッグストアでの医薬品購入など、マイナ保険証と連携していない情報は反映されませんので、領収書などを確認しながら自分で追加する必要があります。

 雪害や火災、震災などの自然災害や盗難、横領等などの損害を受けた場合にも所得控除(雑損控除)を受けることができます。住宅の取り壊しや撤去費用等の災害関連支出も含めて計算します。

 確定申告する際の注意点として、前年にふるさと納税をワンストップ特例制度を利用して行った場合があげられます。

 ワンストップ特例制度と確定申告は併用できず、確定申告を行うとワンストップ特例制度の申請がすべて無効になります。

 そのため、ワンストップ特例制度を利用した寄付分全てを申請し直す必要があります。

 

2025年(令和7年)2月11日(火曜日) 北海道新聞 おうちの経済 掲載